中野大観堂
1.52017
圧痛点が治療点
胃炎を例にして、圧痛点についてご説明します。
胃に炎症が起きますと、胃炎の発生を知らせる信号は胃の周辺の神経を経由して脊髄の神経に伝わり、脳に伝達されます。そして、脳は受信したその信号を瞬時に識別し、「痛み」の信号として胃に向けて返信します。それによって初めて、胃が「痛い!!」と感じるのです。
一方、脳が送った「痛み」の信号は、胃だけでなく、その信号が流れる神経が支配している筋肉まで緊張させて、こりや痛みを発生させます。胃が悪いと背中や肩の筋肉がこったり、痛んだりするのは、このためなのです。
これを医学用で「関連痛」と呼んでいます。
この関連痛の特徴は、押すと痛いということです。この押すと痛い箇所を、「押圧すると痛みのある点」、略して「圧痛点」と呼んでいます。そして、圧痛点は胃炎の場合はこの辺り、歯痛の場合はこの辺りというように、だいたい決まった場所に発生します。
また、圧痛点は理論上、腰痛、ひざ痛、五十肩からセキや頭痛、乗物酔いまで、あらゆる病気によって発生します。つまり、圧痛点は病気の種類にかかわりなく発生するのです。従って、健康体に圧痛点はないということです。
そして、この圧痛点が治療点なのです。